――……少佐はどこだ!?
[怒気と困惑も露に、視線を彷徨わせる。
本来――ここで優先すべきは、まず第一にローレルの身柄。
だが、格闘するファベル少尉の相手は、練達の工作員。一対一では危ういかもしれない]
くそ……中尉! 先走ったあの阿呆を助けるぞ!!
[――少佐も少尉も、どいつもこいつも、勝手に走り出して。
まったく、そんなもの、命令と規律が第一の軍ではご法度のはずだ。
でも、自分はそんな軍は好きじゃあなくて。
だから、そんな堅苦しい気配なんて微塵もない、あの人を。
――ああ、そうとも。だから、まず少尉を救う。
せめて、彼らには――自分のような思いは、させたくない]