―少し未来―
[焼却炉へと歩き出していた彼を、間一髪のところで引き止められた事に安堵する。>>73
といっても彼が本気でそれを望むなら、自分には言葉を尽くす以外に止める術を持たない。
熱気がちりちりと肌を舐める。けれど、そこから動かずに]
……死にたかったのか?
[そう尋ねれば彼は何と答えただろう。
答えがあってもなくても、引き止めるように、その身に縋りつくように抱きしめる。]
ずっと、
無理やり振り分けられたとはいえ、敵陣営という事に絶望もしたし、お前の行動に、……そうだな、眉を顰める事もあった。
……――けれど、それ以上に、お前の叫びが聞こえていたよ。
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