[やがて門をほぼ南に臨む地点に移動し、馬から降りた。これまでのところ、魔の者に見つかった様子はない。けれどそれがこの先の幸運をも保障するとは限らない。準備は、正確に手早く進められた。鞍に括り付けられてあった古い魔術書が開かれた。木々の間の僅かな閑地に、目立たぬほどの魔法陣が描かれていく。日差しに時折、蒔かれていく透明な水晶の欠片が草の合間に煌いた]