― ニコラス捜索中 ―
[部屋に足を踏み入れる。気がつけばマフラーの淡い色合いを探していた。
昨夜からこの部屋に戻ってきていない、と状況を分析するシモンの言葉が耳に届けば、>>81
ひっそりとため息をついた]
…、あたしに?
[そんな中、オットーが引き出しの中から手紙を見つけて手渡してきた。>>83
何か居場所の手がかりでも残されていないかと、部屋の中はくまなく探すつもりだったので、
先を越された形である。
オットーとは意見の一致を見た、ということか、とぼんやり思いつつ]
……ああ、あたしこの手紙を読みたいから別行動取るわ。
[あっさりそう告げて自室に戻る。
その表情は部屋に入る前とは違い、雲間からわずかに陽が差したみたいな明るさがあった]