[それは宮中の何処を歩いている時だっただろうか。鳩は自分の元ではなく、呼ぶまでは国内を自由に翔んでいるだろうから気にもしていなかったのだが。動物は人間の感情、 ──特に、悪意に関して聡いという。王宮内に溢れるその嫌な雰囲気を感じたのだろう、突然羽を拡げると騒がしく羽撃いて空中へと飛び上がる。] っあ、おい、 ベルフィ![先王への餞別を託しに行くなら、白鷹も連れて行こうと思っての事だったが、どうにも仇となったらしい。それがどう映るかは兎角として、通りかかる者はいただろうか。]**