[毒を吸い出された後は、滋養の糧を与えられた。傷を癒すのにどうにかして調達しなければ、と思っていたもの。しかもヴィンセントにごく近い血のそれは素晴らしく馴染み、そのまま身体を巡りはじめた。] あなたも、 無事ではないのに──[熱に潤む眼差しで城主を見上げる。この救い主は、自らの身を犠牲にして、縋る者を救った。]