人狼物語−薔薇の下国

68 Es2nd― 緋の世界に滲む月 ―


気儘な猫 カレル

>>104高い場所に逃げるのは余りいい案とは思えず逡巡したものの、階段に辿り着く方が早く、大人しく指示に従い辿り着いた談話室。部屋の中に異常がない事をざっと確認すれば、繋いだ手を離しソファーに座る様促しただろう。

締めた扉には暖炉の灰掻き棒を閂代わりに、傍の適当な家具をずらして、多少何か崩れたり壊れたりする音が鳴り響いてもお構いなしで、簡易のバリケードを築き、…やっと動きを止めた処へ掛かる彼の声に、ふらり、誘われる様彼の元へと戻ると有無を言わせぬ力強さで抱きしめた。

甘えるように擦り寄って顔を埋めた首筋、乾き掛けた血に唇を寄せて、舌で拭い取る。
口の中に広がる鉄錆に似た香りに普段以上の甘たさを覚え、渇いた咽喉が、身体が、「もっと」と求めたけれど、飢えや渇きを遣り過ごす術に幼い頃より慣れ親しんだ身体はその欲求を容易く抑え込んだ。自身の欲より彼の安否の方が重要だったから。

傷口が塞がっている事に疑問を覚えるよりも、深い傷が其処に無い事に安堵して、やっと力を緩めた]

何処か、痛む処は?
これ以外に、何もされていない…?

(109) 2013/10/01(Tue) 23:41:33

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