[周りが白く目を開けられぬ…それでも護衛に引き連れられ、進むこと数十分、伝令の一人と遭遇する。雪に体を半分埋めて凍死仕掛けているその伝令から、避難所が近いこととクロイツの報告を聞けば再び歩みだしひたすらに避難所を目指す。]カチュアが倒れ、エストが倒れ、入り口の近くに辿り着いた頃にはパオラも力尽き、それでも自分は生きていた。重厚な防寒コートは金を掛けて作られただけあり、命を繋いでくれた。入り口の扉に手を掛けて中へと入れば壁に凭れて座りしばしの安堵の息を漏らす。周りには誰かいるだろうか]