それで……先程の話ですが。
ユリウスは、前にいた村の住人で……病で亡くなった人です。
ご家族が治療費を稼ぐ為に留守がちだったので、私は毎日のように訪れては看病をしたりお話をしたり……。
結局、17歳という若さで神に召されてしまったのですが。
[これだけ話せば説明としては十分だろう。そう思ったが、何故か言葉は止まらずに。]
…………死に目に、会えず。最期を、一人にさせてしまったので。ずっと心残りで……。
……だから、亡くなったと解っているのに。先程は似ている貴方を見て、つい「生きていたのだ」と思ってしまって……すみませんでした。シモン。
[どこか泣き出しそうな顔で、シモンに対して頭を下げた。]