― 一年前・マンダレー陥落時 ―魔術師にもこれだけ剣を使える奴がいたとはな。[共和国首都マンダレーを堅固に囲んだ城壁を突破し、大量の兵を引き連れ雪崩れ込んだ先で、男はある敵と対峙していた。マンダレーを守護する魔導師団の団長、アーノルド・ブルバード。剣魔双方に優れた魔導師で、洗練された攻撃魔法と剣技を組み合わせての攻撃は非常に厄介なものだった。離れていれば魔法が飛んでくるし、近付けば剣による迎撃が待っている。魔術師ならば近付いてしまえば良い、という認識を覆させる相手だった]