―現在:レストラン―
[ひらひらと手を振ったら返してくれた>>35 ので、ちょっと嬉しくなってクスリと笑う。
やっぱり、サボリ中のようだったことにも気付いたから。
同時に名前も思い出し、そういえば、彼はいつから船に乗っているんだったか、とサラダを咀嚼しながらそんなことを思う。]
(少なくとも、5年以上は船に乗っているのは知ってるんだけれど……)
[自分が10年以上はこの船にいるから、……改まって考えたことはなかったけど、実は知らないうちに長い付き合いになっているのかもしれない。
酒好き、ギャンブル好き……なんて噂はどこからともなく、自然と耳に入ってきた訳だが、店に訪れて花を選ぶ彼の表情はとてもそんな風には見えなかったことを思い出す。
昔を懐かしむかのように、優しい指先で花を選ぶ。
それは決して派手な花ではなかったけれど、そっと寄り添うような柔らかい色の花。]