国が開かれれば、その望みも叶うのでしょうが…
[ 今の国政がそれを認める可能性は著しく低い事はこの国で生まれ育った自分には容易に理解できる。かつて祖父のような漂流者が解放されたという話も聞かない。今度の国交を求める使者達でであっても軟禁して帰さない、殺害して知らぬ顔という事も有り得るのだ。]
( 結界を越えて外洋へ出ようと試んだ者もいるらしいですが。)
[ その結果、投獄で済んだのはその者の身分故か。処分は重くはなかったらしい。だが処罰の重さよりも、その者ではどうにもできなかったという失敗という結果だけが気にかかる。]
( かの貴族様は今度の事、どう思っているのでしょう。)
[ 国難の危機に有りながら思い浮かぶのは、異国への関心。**]