[ クレメンス様が嫌な予感を感じていたとは知らず>>98
突然のお願い事をして。
自分ではぶっ飛んだ事を願っているとは思っていない。
名案だとさえも思っている。
けれど笑ったまま固まったクレメンス様の顔を見れば
"…あれ?"とは思うわけで、少し首をかしげた。
そのまま彼の返事を聞いたなら断られたのだと思って俯く。
────でも、このまま引き下がるわけにはいかない。
他にアテがあるわけでもないのだから。
このまま何もせずにいたら、何も変えられないから。
ではどうすればいいのか。
考えろ、考えろ。クレメンス様に頷いてもらえるように。
今の私にできる事は何だろう。
"船員じゃねえ奴には教えらんねぇな?"
……そうだ。
────船員になればいい。 ]