あ、なんか変なこと聞いてごめん。グレートヒェンとも最近話してないからさ……あいつも来年、結婚するしね。[ 諸々の空気を打ち消すように、話題を変える。もともと彼女とどうこうなりたいと思っていたわけではない。――多分。おそらく。彼女が幸せならそれでいいじゃないか、と己に言い聞かせ胸の鼓動が早く落ち着くように、ステファンが用意してくれたティーカップのお茶を一杯飲み干して、その苦みと甘さに心を沈めていた。** ]