[思惑は様々であり、ひとつに纏まりきるものではなかった。 ただ、此処で執政として戦斧──ゲオルグ・ヒューベンターの名が挙がったのは、盾としての意味合いも勿論多く含んではいたが、同時に自らの保身を図る者たちですらでも、理解をしていたからでもあろう。 彼の沈まぬ太陽たる皇帝と渡り合ったのは、 他ならぬ彼だと。 誰がこの海峡を護るために闘ったのか、誰が欠ければ今があるか知れないのかを、──誰もが理解をしていたからだっただろう。]