[両肩を抑えるために相手の重心は上にある。ならば]
…甘い。
[隙だらけの下半身に、横蹴りを一撃。腹部目掛けて放ったそれは、上手く入れば身体をふっ飛ばせるだろうが如何せん自分は体格に劣る。おそらくよろめかせる程度。だがその隙は十分すぎるくらいで。]
言ったろ。甘いよ、お前。
[傾いだ身体、首目掛けて次は腕を繰り出す。そのまま抑え込めば粗方の自由は奪えるだろう。素人なら銃を暴発しかねないし事実コイツは素人だが、そんな弾はまず当たらない。圧し掛かるようにして肺に体重を掛けて、その手には改めてナイフを握る。コイツには多分、銃より