さてさて、と。今日の吊り先には拙めを推しておこう。上弦は過ぎ、毎夜月は満ち行く。お主らに剥く牙は無いとは申せど。月に酔い、いつ何時「ついうっかり」してもおかしくはない頃合いぞ。多少なりとも関わりの有った者達は、それぞれ無事意中のお相手と幸せを共有して居るようで、最早思い残す事も拙めにはござらん。憎き仇敵も既に泉下の客人だ。彼奴めよりは先に死ぬまい、と言う望みも果たされた。タナボタだったけど。