[静かに綴られる言葉>>83に、真白の獣は何も言わない。
純粋すぎるが故に曲がれぬ質の神獣は、すぐに己が意を翻す事はできない、けれど]
……うん。
人は、この世界で最も強く『可能性』を秘めるもの。
だから、本当にできない事なんてないのだよ。
……白角も、わかっているのだよ、本当は。
だって、その可能性が世界を輝かせた場を見ているのだもの。
[勿論、それ故に、という部分もあるのはわかっているが。
言葉を紡がぬ神獣に代わり、その思いの丈を綴る。
当の真白は何も言わぬままだったが、調香師に向けた碧の瞳の穏やかさは、少年の言葉の肯定するが如き静かなものだった]