[飛び下がり戻ると、鳴丸の髭が半端に垂れていた。当たらなかった事がやはり口惜しいのだろうが、心底落ち込んだ様子もないのは、先程の言葉のせいかと男は思う。鬣を撫でつけてやってから、男は警戒怠らぬようにだが、その場から下がった。]幻術が厄介なだけで、こやつ等自体はそう倒すに難しい相手ではなさそうですな。[自身の周囲は粗方片付いたと判断し、男はカナンの傍に立ちその周囲の警戒を強めた。]