―― 霧がまだ晴れぬ中・上空 ――
[幼い日に渡した想い出のコインは投げ捨てた。
優しかった想い出も同時に捨てたつもりだったが。
刃先が触れ合う程の距離、視線が合うのは必然。
戦場で敵から視線を逸らすなど、殺して下さいと言うようなものだろう。
だがそれでも、視線が絡み合えば早鐘のように心臓は鼓動を刻み、痛む。]
――――風よ
[風を呼び起こし二人の間に割り込ませ、その勢いを借りて一度後退し。
辺りを取り巻く風を槍へと纏わりつかせ。
まだ見ぬ氷竜の攻撃を警戒しながら槍を相手へと突きつける。
じり、と緊張感が漂う中キアラの持つコインは見えただろうか**]