― 宿・入口 ―[外へ飛び出そうとする神父様をなんとか押しとどめていると、その脇から小さな影が飛び出していくのが見えた。銀嵐の中に飛び出そうとする小さな背中に重なる、17年前の誰かの影。ぐ、と唇を噛むと一言神父様へ] 乱暴を、すみません。[渾身の力で後ろへとなぎ倒し、飛び出した背中を追う]