罪状は。
[ロストルム帝国トゥーレーヌ公爵の間諜として、
大公、王太子、軍務大臣殺害を実行――そして…
報告書が淡々と読み上げられ、罪が積み重なるにつれ、奥歯を噛み締める力が強くなり、痛いほど。]
……。
本国への通達は? ……そうか。
[押し殺した掠れ声になってしまったが、情報部の方で恙無く行われました、と冷静な返答が返る。それには強く頷いた。
表沙汰に出来ない案件ゆえ、情報の扱いには最新の注意を払う必要がある。
聞けばデンプヴォルフ大尉も罪状露呈の場に居たという。
彼ならば上手く采配したはずだ。]