― 回想/第二王子私室 ―ああ、任せる。[外務長官>>103へ向けた言葉は短く一言、だがそれにはこれまで培ってきた信が籠る。これまで、父王の下で共に政に携わって来た。外務を司る彼の有能さ、その真面目な人柄。若くして、父の目に適っただけのことはある。そう肌に感じて来たからこそ、寄せられる信。]……何か?[その彼が、最後の一人が退出するのを見守って振り返るのに予感があった。彼が今、気にかけているのは。その予想を裏切らぬ問いに、ウェルシュは短く瞼を閉ざす。]