― 疾風の精霊の領域 ―[追撃があるか、と緊張しながら、新たな足場に降り立つが、星司の方も体勢を整える方を選んだようで、上と下、距離を開けた場所で視線だけが再び交わる]これも、星司の、おかげだな…[失敗するかもしれない魔法を躊躇いなく使えたのは初めてだった。落ち着いてから、そのことを自覚すれば、そんな言葉が、小さな笑みと共に零れる]