― 砂漠の町 ―[長年の身に染み付いた直感は間違いなく撤退だった。せいぜい町の出入り口に罠でも仕掛けながら逃げられる安全圏にまで距離を置く――ぐらいが妥協点の筈だった]なのによぉっ!!なんで、こうなっちまってんだろーなあっ!![なのに、何故だか好き好んで暴風域《ダーフィトの目前》へとその身を飛び込ませていっていた。勝てる気はまるでしない。それでも己の全てを賭けるかのように、目の前の剣士に対して刃を向けて立ち向かっていた。幸い、まだ討たれてはいない]