[自分にとってトールはいつも世話をしてくれる寮長であり、何かと皆を気に懸けてくれる優しい先輩でもあり、頼れるルームメイトでもあった。そんな相手だからこそ、なおさら知られるのは気まずい気がして。怒られるのか、呆れられるのか、心配されるのか、それとも……。そんな不安がよぎれば、ますます手の怪我はひた隠しにしようとするのだった。**]