[ 何れ程の間、そうしていたか、そろそろ戻らねば、と、思う程には時が過ぎた頃、複数の人の気配を感じて、着いたばかりの荷馬車の方へと男は視線を向けた ]『...は、油の...』『好都合......』[ ひそひそ声で交わされる会話は意味が掴める程には届かなかったが、どこか人目を忍ぶような様子が気にかかった。単にサボりに来た兵士という可能性もあるのだが ].........[ もっと近付いて様子を伺おうかと、木箱から立ち上がった、その時 ]