― 西門壁上 ―
[視界の右方から火の手が上がる。
予定していた作戦が決行されたのだろう。
黒煙の向きを確認すると、セーファを避けるような動きとなっていた。
流れ行くのは先程まで睨めつけていた方]
火矢は中止だ。
あの柱に燃え移ったら元も子もねぇ。
[状況が変わり、当初目論んでいた火責めに制止をかける。
追い風により飛距離は伸ばせそうだが、クレステッドが括り付けられた柱や、根元に詰まれた薪に引火しては拙い]
後はお前ぇらだけでもやれるな?
[口端を持ち上げ、信を置く視線を若手騎士達に向けて言う。
その返答は背で受けつつ、チャールズは壁上から門下まで降りていった]