[じわりと冷気が腕を這い上り、荒々しい衝動が突き上げた。歯を食いしばって耐える。 掴めた。と、背後で派手な水音があがり、振り向けば、先ほど塔の町で会った聖衣の若者が、その庇護対象たる双頭の仔犬もろともに空を飛んでゆくのが見えた。>>98>>99どうやら、魔界はあの若者を放っておきはしなかったらしい。若者の行方を見定める間もなく、すぐに闇の経へと身体ごと呑まれ、視界が切り替わる。 >>0:#0の9(10x1)へ]