― 回想/故郷にて ―
[ヴェルナーには双子の妹がいた。
同じ灰色の翼を持ち、同じ色の天命石を抱いた片割れ。
宿す属こそ異なったが、周囲も認める仲の良い兄妹だった]
ゾフィの夢って?
[離れ離れとなる日よりももっと昔。
同じベッドに潜り込んで眠るまで語った夢の話。
この世界をたくさん旅をして話をするのだという妹>>72。
活発な彼女らしい、と思いながら、笑って聞いた]
ゾフィなら色んなところに行けるよ。
良いなぁ、俺も行きたいな。
[その当時、明確な夢というものを持っていなかったヴェルナーは、夢を語る妹を羨ましく思っていた。
何気なく言ったその言葉は、妹と夢を重ねることで自分自身も夢を抱いたように思いたかった現れだったかもしれない]