──城内・庭園 東屋──
[紅茶が入ったティーカップを傾けると
爽やかな香草の香りと共に紅茶の味が口の中に広がる。]
……茶菓子が欲しなってくるわ。誰か持ってへんやろか。
[カチャリと無造作にカップをソーサーに収めると
立ち上がりハーブの群生するこじんまりとした庭園を後にする。
ここは男のお気に入りの場所。なぜならのんびり仕事がさぼれるから元が田舎の出であるが故に緑の多いこの場所はとても安らげるのであった。
ここの管理をしている者に手製の紅茶を
ご馳走になった訳だが、後でお礼を言わなくては。
そう思いながら、新たな目的の為
ブーツをコツリ鳴らしながら、当てどなく
しかし早い足取りでその場を一旦後にすることにした。]