[持ちかけられた提案に、少し。眉間に皺を寄せたが口調は変わらない。男が嫌悪感を示したのは“決闘”に対してであって、目の前の彼に対してではないのだから。]それぐらいなら、構わないが。[自らが酒に強いのは敢えて言わないで。他愛のない、それこそ――娯楽を。楽しんでやろうと。“今ぐらいは勝つ気でいったって構わないだろう”と。]イカサマは、なしだぞ? [どこか使い慣れた、質の良さそうなダイスをテーブルの上に置いた。男の瞳は相手の方へ。先にどうぞ、とでもいいたげに。]