――団欒室――
[――突然、派手な音を立てて扉が蹴破られる。
ポケットに手を突っ込んだ侭に、お行儀悪くがっつり脚で蹴って開けたら扉がまた一枚犠牲になったようだ。
自分で驚いてきょとんと目を瞬かせるも、ひらり動かす掌ひとつでドールに修理と片付けを命じて、気にせず皆の元へ]
よ、皆さん御集まりで。
俺にも茶ぁ淹れてくれよ、茶!
[空気は読まず、ニカっと笑って片手を上げて気安く挨拶を。空いた椅子を陣取って、どさり、乱暴に腰掛ければ、傍近く座るもののカップに興味を示し、何飲んでんの?と覗き込んだ。手慰みにシュガーポットから角砂糖を一つ失敬して口に放り込む]
[人が集まる場所では何時も、隅っこでどんよりと「早く帰りたい…」みたいな顔をしてじっと耐え忍んでいた男と、一応、外面は同じ、同一人物である]