―霊安室―――……、すみませんが、ここで今しばらく。[ゆっくりと、彼女の亡骸を横たえて]ところで、これ、約束のものですが――、[手にした鍵を、胸元で揃えられた手に、握りこませて]……これ、返すんじゃないですから。預かっていてくださいね。ちゃんと戻ってきて、返してもらって……そしたら、五十年後あたりに、改めて返しにいきますからね。[そう、物言わぬ相手に、語りかけた]