[彼の手から槍が離れようと離れまいと、距離が開けば己の身からも槍は抜かれる。ぼたぼたと流れ落ちる血に、周囲から慌てた声が響くがそれを制し] 俺の首は今戦っている王国の兵達の全ての首だ。 ただの雑兵に捕らせてしまえば、王国そのものの格も落ちる。 この戦い自体も、収めることが出来なくなる。 少しでも流れる血を少なくする為に、俺の首は切り札でなくてはならん。 お前の生きる為だけに、この首は渡せない。[どこまで耳に届くかは知れないが、立ち尽くす青年へと声を向けた*]