― サクソー川/東寄り ―
[ ツェーザルが、仁王立ちのまま事切れ、マーティンが、橋へと押し込もうとする200の兵を置いて盟主への援護に走ったと、丁度相前後して、左翼から「祭りに遅れ」ぬよう、駆けつけてきた騎兵の一団が漸く、本陣近くへと到達した。
先頭を走るのはダーフィト・エイワズ旗下の小隊のうち、川岸の哨戒に残された10騎余り、以下50騎弱が後に続く。左翼に配置された騎兵のおよそ半分ばかりということになろうか ]
「橋を護れ!一人も渡らせるなっ!!」
[ 怒号に近い号令の下、敵歩兵の群れに向かって長槍を構えた騎兵達が突撃する。
その一人一人が、並ならぬ気迫を纏っているのは、他でもない、死して尚橋への道を護ろうと立ち塞がる、若き戦士の魂に心揺さぶられ、その遺志を引き継がんと、奮い立ったが故のことだった ]