―― 第2エリア・レストラン『イライザ』 (回想)――
ああ、そりゃどう考えてもあいつだわ。
[爆発物、手榴弾を投げて、といった表現は、語られたハダリーの過去を思えば、口には決して上らせず。
ふと濁った語尾と、『スノウが』――という言葉に、彼がどう続けようとしたかは凡そ想像が着いた。
だが、スノウがそのような情報を把握していたとして、積極的に他の乗員乗客に触れ回ることはないだろう。
怪我人が数名いたメイン・サロンでの、あの猫の様子を思い出せば、なんとはなしにそのような気がして。
――… 呼び出して聞いてみる価値はある、か?
そのような事を思案しながらも、その場は彼の話に耳を傾け。]
言われてみりゃ、そうかもな。
威勢よくその辺ぶっ壊して歩いて、手前はくたばりゃしねえような乗員だったから。
まあ、滅多なこともないだろうが……
[そもそもの懸念は、メイン・サロンで本人を見かけたときには解消し、
その後は思案に上ることもなかっただろう。>>14]*