― メイン・サロン ―
[ハダリーは自分の視線>>67に気づいたのかどうだか、
いぶかしむような表情を浮かべながらも、話し掛けてきた乗員>>55の問いに答え始める。
どこか不満のニュアンスを含んだ言葉>>75と、
険しくも見える話を聞く乗員の表情に
己は、何かできる訳でもなく、
交わされる言葉の中を、おろおろとすることしかできなかった。
しばし眺めていた二人のやり取りが終わった後に、
乗員の方へ「緊急事態の中、お疲れさまです」と労いの言葉を掛けたのは、
余計な警戒をさせてしまったという申し訳なさと、
己よりも若く見える相手が、この事態の中でしっかりと勤めを果たそうとする姿に好感が持てたからだった。**]