[一度深呼吸をすると、通信機で問われたことに対し、隣に居るジーク殿にも説明するように言葉を紡ぐ]
アl………『アレ』は、人にありながら竜の血を交えた一族の末裔だ。
古の竜の血を引き、それと同等の力を扱うと聞いている。
……ただ、レトの前に現れた竜人は、力を封ぜられ幽閉されていた者。
今はそこまでの力は持ち得ないはずだ。
ルアルが脅えたのも、『アレ』の竜の血が為せる業だろう。
[名前は、紡げなかった。
紡いでしまったら色々なものが溢れてしまいそうで。
それを晒すわけには行かないから、必死に感情を押し込めた]