[まだ足は動いてはいなかったが、今にも歩き出すと思われたのか。
バッグを掴み引き止める大河の手>>74を叩き落すでも払い除けるでもなく、きょとんと気の抜けた顔をした後しげしげと見つめる。]
んなこと言ったって、新幹線のホームで立ちっ放しも疲れるだろ。
試食?……観光地って言うのか絶妙な所だな。
[大河がこちらにスマホの画面を見せる前に手元のそれを覗き込み、工場の写真と脇に書かれた文章を読む。
勝手に画面をスクロールさせて成程ねぇ、と独り言ち。
それが不満そうに見えたのか、バッグを引く手にけらりと笑う。]
ま、たかが一ヶ所廻った所で昼過ぎや夕方になるでもなし。
出来たてってのも一度は食ってみたいし、行くか。
[大河から奪ったスマホで駅情報を見つつ目的地へ向かう電車のホームへ向かい、返せと語気を強められるとようやく返してやった。*]