[艦内の事は頭に叩き込んでいる。なのに、今いる場所がいまいち把握できないのは、状況の性だろ]つぅ…。[痛みに顔をしかめ、手を見下ろすと、赤く染まっている。指を軽く切ったと思っていたが、思いのほか深かったのようだ。ぎゅうっと切った場所を握り、甲板への扉を探すように歩く。迷子になっている…そう見せる為に。退艦するわけにはいかない。答えはまだ出ていないために]