うん……うん。折角なので頑張らせて頂きましょう。
更に追加でオリーブフォカッチャにクルミマフィン。飲み物はオレンジジュースでもありましたら。
いやあ、都会だと味も均一化されやすくて、どこも同じ味なんですよね。
私もまだ神父になって日も浅い若い頃は都会の暮らしに憧れていましたが、目まぐるしい都会の日常で私も色々な事がありましてね。漸くあの懐かしい喧騒の年頃を通過したかも知れないこの頃になると、たまにはこの様に穏やかな場所を求めてしまうのは性なのでしょうか。
[落ち着きの無い性格なのか、何故なのか。
店主の青年へ更にパンを要求すると同時、饒舌に、前半はパン屋には意味あれど、余り聴いて生産性のあるとは思えない事をぺらぺらと話して]
あぁ。シスター。貴方も如何でしょうか?
もしよければそちらのお嬢さんも。クルミマフィン。
いーぃえ大丈夫御心配なさらず。ご馳走させて頂きますので。
[この不審気満載な様子が、更に初対面にも関わらず、シスターの隣にいる娘からのファーストインパクトを、更に強烈な物へ押し上げている事には、哀れな事に当人は気づいてなどいなかった]