[ 飛ぶと言うよりは滑り降りるように砂色の騎竜が降り立ったのは運動場の片隅。ある程度の大きさがある騎竜は、大体、来場者や生徒の通行を妨げないように、この辺りに固まりがちだ。 ]やあ、カルモ、子守のバイト?それともオヤツ待ちかな?[ 若竜にじゃれつかれている見知った教官の騎竜に、軽く声をかけながら、青年は地上へと足を降ろした。相棒はその場にとぐろを巻いて、もうじゃれるほど幼くないのだと主張するかのように頭をぴんともたげているが、その割にざわざわと落ち着かぬ様子で砂紋が揺れている。 ]