私は以前、王妃様の御実家に従騎士として伺候していました。
家格が無駄に高いというのに、この外見がひ弱に見えたのでしょう、同僚とは折り合いがあまり良くなくて...
[ 実際は、その頃には兄達にも鍛えられ、そこそこに強くはなっていたが、無駄に争うのを嫌う性格のせいで、相手を増長させ、大分虐められたのだ、とは、口にしなかったが ]
そんな私に、レイディ...王妃様は、随分と優しく接してくださいました。
恐らく、全てをご存知の上で...口出しはせず、ただ気遣ってくださった。
あの方は、そういう方なのです。今もきっと。
ですから、司令官殿...どんな思惑が周囲にあろうと、御本人が身内での争いを望まれた筈はない、私はそう信じています。