[大天使の手を離し、立ち上がった天の子は、自らの右手を軽く振るう。手袋は消えていたが、手首には透き通る輝石が、半ば埋まるようにしてあった。左の手首には、淡く透ける月白の小さな翼が一対、おとなしく畳まれてある。] 師父。 今の私は、十分に力を蓄えています。 あの黒竜を駆る者と再びまみえたとしても、 次は、遅れを取りはしません。[アディリエルが光に還った原因がかの者や、コンラートにあると、大天使の言葉が示す。>>93]