― 玉座の間/現在 ―[一瞬過った遠い思い出に、僅かの間息を止める。どうしてこのようなものが、ここにあるのか。この紋章は確かに、今はもうない国のものではなかったか。オルブライトが熱心に調べていた資料>>2:229、それを見せて貰った時の記憶に酷似していて。] ( …… 、これは、まさか )[空から舞い降りた白雪。それと銀のイトスギとが、一本の線を繋げる。…まさか。咄嗟に飾りを、手の中に握りこんだ。立ち上がる。城門の前の騒ぎが、じきに王宮を揺るがせようとしていた。*]