―現在・建物の外―
[イドの目を遣って二人を探したが、どうやら城の中にはいないようだ。
ならば外だろうと足を踏み出したのだが、]
……イドですら、簡単には見つけられないか。
[歩けど歩けど、途切れることのない緑と茶に溜息しか出ない。
立ち止まり、辺りを見回すが、陽光をはじく金糸の髪は見当たらない。
二人で話し合いたいことがあるなら放っておくべきだろうか。
そんな考えがよぎるが、冷静になった今考えても
あの二人をそのままにしておくのは些か心配だ。
ソマリの変貌も多少はイドから聞いている。
目を閉じて、自身の聴覚の力を最大限解放する。
そうして耳を澄ませること3(3x1)0分後。
彼らの痕跡を見つけた。
その場に急行した時、彼らはどうしていただろうか。]