― 王都・城下町 ―
[それは宮廷画家との会話が終わった後か、あるいは文書の真偽が発表される直前の日のことだったか。
城下町の雑踏の中で、不意に見かけたのは特徴的な髪の色]
…リーゼロッテ?
[サイドに結んだ淡い桃色の髪を揺らせて歩く姿を認め>>105、わたしは懐かしさに思わずそちらへ近づいた]
久しぶりね。
仕事にはもう、だいぶ慣れたのかしら?
[目の前に立って、改めてその姿を見ながら声をかける。
わたしが白狼騎士団に赴任するのと同時に、入れ替わりで配属してきた新人。
ごく短い期間だったが、業務の引継ぎや新人教育に携わった際に、何度か顔を合わせ、言葉を交わした事がある。
当時は真新しいサーベルを腰から提げて、誇らしげだったが、今はどうなのだろう?*]