[このまま黙って別の町に行ってしまおうか…いずれにしても一度宿に帰らなければなりません。そして……遠目からでも彼を一目見ることは許されるでしょうか。
――今朝の別れ際にされたキスの柔らかさが、残っているうちなら、まだ。>>72]
我が師よ。我は東屋へと帰ると致すズラ。
この御恩、決して忘れないズラ。
我らまた相まみえよう時には、我は汝の力になると約束いたそう……ズラ!
……ではこれにて、失礼させていただくズラ!
[再び深くお姉さんにお辞儀をしたあとにエルフは今度こそ頭上を確認して帰還の呪文を唱えようとしたことでしょう。もちろん、お姉さんも街へ帰るつもりなら喜んで一緒に帰るつもりで。*]