[ 刃から飛び散った紅が、少女の白い足に散る。小さな紅い花びらのようにも見えるそれは、清い水を毒により侵す ]痛いか?翡水。[ 笑み佩いたままの唇が、愉しげに問いかけ ]綺麗な水ばかりが川を流れると思うな。[ 続く言葉の意は冷たく、だが声音は優しげにさえ響く。そうして、涙に滲む少女の右肩を狙い、男は毒に濡れた右手のシャムシールではなく、左の鉤爪を斜めに切り裂く動きで揮う。少女がその痛みに耐えかねて、弓を取り落とせば、即座に奪いとるつもりだ* ]